住宅ローンの基礎知識

ペアローンのメリット・デメリットと注意したいポイント

ペアローンの3つのメリット

共働き夫婦の場合、ペアローンにするメリットは大きく3つあります。

一つ目は、住宅ローン控除を二人分受けられる点です。

ローン控除とは、ローンを組んでから最長10年間、住民税の減額や所得税の還付が受けられる制度です。

ローン控除は、対象となる金額が決まっており、それが余ってしまうと翌年に繰り越しなどはできないため、できるだけ余らないように借り入れを行う必要があります。

その方法として最適なのが、夫婦で別々のローンを組む方法となっているのです。

二つ目は、借り入れ可能な金額が大きくなる点です。

夫一人では、借り入れることができないローンも、妻と合算することで借り入れ可能となるケースもあります。

もしどうしても住みたい物件があり、夫だけではローン審査が通らなかった場合に、ペアローンは非常に有効な手段となるのです。

ただし、借り入れ額が増えるということは、返済額が高額になることにつながります。

無理のない返済計画になっているか確認した上で、ローンを組むことが重要となります。

三つ目は、団体信用生命保険が夫婦とも適用される点です。

住宅ローン返済中に夫もしくは妻が亡くなった場合に、対象者の残りのローンを金融機関が支払います。

またこの保険は、重度の障害を負った場合も適用されますし、最近では三大疾病の保障がついた保険なども登場し、これに加入することで、保険料は上乗せされますが、日本人の発症が多い、がん、脳卒中、心筋梗塞などを患った場合も保険が適用されることになります。

ペアローンの3つのデメリット

ペアローンのデメリットは大きく分けて3つです。

一つ目は、事務手数料が通常の住宅ローンの倍かかる点で、これは、3つのデメリットの中でも、特に負担の大きいものとなっています。

ペアローンは、一つの物件に対して、二つのローンを組むことになるため、契約時や変更時の事務手数料も2倍必要です。

基本的には、ローン控除も二人分受けられるため、事務手数料でかかった費用は数年で回収できるとされています。

ただし、契約の変更や乗り換えなどを行った場合は、それらの費用も2倍かかるため、結果として損をしてしまうことになります。

二つ目は、夫婦のどちらかが仕事ができない状態になった場合、リスクが大きい点です。

住宅ローンを借りていた人が亡くなった場合や、重度の障害を抱えた場合に関しては、団体信用生命保険が適応されるため、金融機関がローンの残金を支払います。

ただし、保険適応外の病気や、自己都合による退社などは、支払いの義務が生じます。

仕事ができない状態で、毎月支払いを続けていくことは、家計にとって大きな負担です。

三つ目は、どちらかの収入がなくなった場合、二人分のローンを夫か妻の一人が支払っていくことで、贈与税が発生するケースがあることです。

たとえ夫婦であっても、夫が妻の名義のローンの返済をすることは、夫が贈与したとみなされることもあります。

加えて、ローン控除による税制面での優遇は、夫婦がともに収入があることを前提とした制度です。

よって法律的に問題がないか確認した上で対処することが求められます。

ペアローンで注意したい2つのポイント

ペアローンはうまく活用すれば、メリットの多い住宅ローンとなっていますが、契約内容をしっかり検討しないと思わぬ落とし穴もあります。

ここではペアローンを組む上で注意したい2つのポイントを紹介しましょう。

一つ目は、妻がなくなった場合を想定した、返済計画を立てる点です。

現在半数以上の世帯が、妻より夫の収入の方が多くなっているので、夫の方がローン比率は高くなっています。

しかし夫が亡くなった場合より、妻が亡くなった場合も方が、返済に苦労する例が多くなっています。

その背景としては、残された夫が55歳未満の場合、遺族年金を受け取れないことが挙げられ、比率の高いローンの支払い義務だけが残ってしまい、家計が苦しくなるのです。

これを避けるためには、妻のローン比率を低くしすぎない、妻にも死亡保障がついた保険を選んでもらうことが有効となります。

二つ目は、今後のライフプランをしっかりと立てる点です。

ペアローンの場合、どちらかの収入がなくなると、その分の負担も高額になります。

仮に夫の転勤があった場合も、夫婦ともに働き続けなければならないため、夫は単身赴任する必要があるかもしれません。

また、今後出産を予定している場合は、妻の収入が少なくなることを考慮したペアローンを組む必要があります。

産休や育休中は収入も減るため、住宅ローン控除の金額も少なくなるため、長期的なライフプランを立てて、それに適したローンを組むことが重要です。

この2点に気を付けることで、ペアローンを組む上での、リスクを軽減することが可能となります。

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