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日銀が金利上昇を容認!住宅ローン金利はどう変わる?

平成30年7月31日の日銀の決定を受けて、早速メガバンクの住宅ローンの固定金利は上昇が発表され、消費者に影響を及ぼしています。

これは、長く続いた低金利住宅ローンの終わりの合図なのでしょうか。

今回の決定の見方と今後の住宅ローン金利の見通しも含め状況を説明します。

今後の日銀の金融政策は?

現在の金融緩和政策は2013年4月から始まり、もう5年以上になります。

低金利により、消費者には有難い住宅ローン低金利化の一方で、銀行の利益は減るなど、デメリットが積み重なっています。そこで日銀から、今回は大きく金融政策の変更はしないが、これからは柔軟に対応していく、という方針が打ち出されました。

7月31日の日銀の決定で住宅ローンに関連したものは、大きく2つあります。

  1. 長期金利のある程度の金利上昇を容認する
  2. ただし、当分は現在の金融緩和を維持し、金利水準も維持する
日銀発表の要約

長期間の金融緩和措置によるデメリットも出てきており、金利の上昇も視野に入れたい段階に来ている一方で、景気回復の結果がまだ十分に出ておらず、物価上昇率も目標には未達である。そして消費税の増税も控えている現状では、大きく方向転換はできない。

しかしながら、今後は金利引き上げを行う意図はないが、緩やかに金利が上昇することも容認しつつ、急上昇が起これば国債の買入れオペも行い調整を行う。

つまり、常々言われていた「住宅ローン金利は今後上がる」ということの始まりです。

日銀はこれまで、国債の買入れオペで金利の上昇を抑えていたため、金利が低く維持されていました。

日銀の決定後、実際に市場も7月31日以降、動きを見せており8月2日には、1年半ぶりの高値である0.145%をつけました。7月31日終値は0.06%でしたから、0.085%上昇したことになります。

ただし今後も金融政策に大きな変更はないという発表もあったため、売りも買いも交錯しています。

メガバンクが固定金利を上げたということ

住宅ローン金利はメガバンクがまず上昇し、地銀もそれに続くことが多いです。8月1日時点では、金利据え置きの銀行も多いのですが、今後は全体的に上昇傾向が波及していくことも考えられます。

では、今すぐにでもすべての住宅ローンに大きな影響が出てくるのかというと、そこまで心配する必要はありません。

住宅ローン金利が上がる順番は次に説明するとおり、変動金利と固定金利では仕組みが異なるので、固定金利がまず上昇し、次に変動金利も上昇するという形になると考えらえます。

長期金利が上がり始めるのは、景気回復の見通しが出てきている証拠で、変動金利が上がると、景気が良くなったという証拠になるのです。

メガバンクはマイナス金利の発表の際もすぐに反応していますから、住宅ローンを現在借りている人は借入先が地銀や信用金庫でも、メガバンクの動きをまずは気にしておけば、市場の変化は掴みやすいです。

今現在、住宅ローンを固定金利を借りている人は、その固定期間が終了するまでは適用金利が変わることはないので、心配はありません。

変動金利で借りている人も、今回の日銀の決定で影響がすぐに出るのは固定金利なので心配ありません。

しかし、数年後に金利が上がっているかもしれないというリスク回避のために、今のうちに長めの固定金利に借り換えたり、変更しておくという方法は取れます。

まだ住宅を購入していない人にとっては、「今後は住宅ローンの流れが変わる」という段階なので、今から情報を集めて住宅ローンを検討し始めればまだ間に合うタイミングです。

変動金利と固定金利の決まる仕組み

変動金利は短期プライムレートと連動し、固定金利は10年物国債の利回りと連動します。

今回話題になっているのは、固定金利の10年物国債の利回りの方です。

短期プライムレートとは?

短期プライムレートとは、銀行が企業に1年未満で貸し出す際の最優遇金利のことです。

その特徴は景気を反映するものであるということ。景気が良いときは高く、景気が悪くなれば低くなります。

短期プライムレートは、過去30年ほど遡れば、平成2年頃は8%を超えていましたが、平成7年頃には2%台まで落ちています。それ以降は、戻ることはなく低水準のまま今日まできています。

不動産価格の下落とともにバブルが崩壊したのは平成3年の話なので、好景気のときは短期プライムレートが今よりもはるかに高かったということです。

景気とほぼ同じように変化しているのが分かります。

日銀の発表は将来の予測によって決定されたもの

日銀の発表で影響があるとされているのは固定金利の話で、変動金利に関しては実際の景気の回復とともに上昇していく事はあっても、これからすぐに上がってしまうことはありません。

さて、今回話題となっているのは、固定金利に影響を及ぼす長期金利ですが、10年物国債は、短期プライムレートと異なり将来の予測によって変動する点が特徴です。

今の景気ではなく、「将来の景気回復が見込まれた」ニュースであったり、政策の変更によって変動するのです。

現在の景気が悪くても、将来のインフレの可能性があれば長期金利は上がります。

国債は安いほど利回りが高くなり、売りが多ければ価格は安くなります。

日銀の発表以降は売りが強まり、一時的に価格が下落し利回りが高くなりました。

日銀としても急激な変化は避けなければなりませんから、急遽買入れオペを行う事態となりました。

このように「将来は景気が良くなりそう」とインフレ感が高まれば、長期金利も高まる傾向にあります。

これまで日銀は国債を市場から買うことで、金利の上昇を抑える政策を取っていましたが、今後は見直し、金利の上昇も容認するという姿勢に変更するということです。

インフレの兆しが見え始めれば、自然と長期金利は上がり始めることでしょう。

以上のように、抑制されていた長期金利を今後は緩やかに回復させ始めるという決定がされたのです。

いつまで住宅ローンの低金利が続くか

10%への消費税の増税及び直後は消費への影響も考えられますので、大きな動きはないものと考えられます。

また、大胆な金融政策を取ることも考えにくいので、1年や2年で住宅ローン金利がガラッと変わってしまうこともないでしょう。

変動金利については、景気の実際の回復がなければ上昇してきませんから、尚のことすぐには上がりにくいです。

世界規模で見ても、景気の減速感が高まりつつあり、数年間は多少の変動がありつつも、急激な上昇は抑制されると考えられます。

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これからは日銀の政策により長期金利が徐々に上昇し、まさしく「住宅ローン金利の転換期」といえます。

今後は、日銀の政策による金利の上昇の他、銀行の提示している住宅ローンの金利優遇にてついても注意を払う必要があります。

各銀行が金利引き下げ競争をしており、現在の適用金利は低い水準を維持されているに過ぎません。

銀行も引き下げ競争に疲弊しているのも事実です。

住宅ローンの概要書に金利情勢等により商品内容を見直す場合や予告なく取り扱いを中止する場合がある旨が必ず記載されており、金利優遇は絶対的に保障されているものではありません。

金利引き下げは大きいところでは、1.5%や2%以上の引き下げが行われていますから、金利政策による金利上昇よりも先に住宅ローンの引き下げ幅が見直される可能性もあります。

いつまでも異次元の金融緩和政策が続くことはありませんから、これからは日銀の政策に注視していきたいところです。

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