住宅ローンの基礎知識

住宅ローンの借り換え

借り換えとは

住宅ローンの借り換えというのは、現在契約している住宅ローンの残債務を全額返済して、新たなローンを契約することです。

これは、同じ金融機関内で行うこともあれば、全く異なる金融機関に変更するケースもあるでしょう。

他行で借り換えをするときの主な手続きの流れは、現在の残債務を確認したのち、その金額と手数料の融資を受けられるか仮審査をしてもらいます。

また、現在借り入れをしている金融機関に対しても、借り換えを検討していることを伝え、完済の予定日やすぐに抵当権を抹消したいので、書類を用意してほしいなどの準備を依頼しておきます。

このときに引き止められることもありますので、あらかじめ他行から取り寄せておいたシミュレーションの内容を見せて、これよりもよい条件で借り入れができるかを確認してみるとよいでしょう。

他行よりもよい条件を提示してきたときには、そのまま同じ金融機関内で手続きをすればよいですし、条件的に難しいという場合には、そのまま他行への乗り換え手続きを進めます。

金融機関自体を変更する場合には、新たな金融機関の方で必要書類の連絡がありますから、融資実行日までにこれらを用意しておきましょう。

登記を依頼する司法書士を自分で手配する場合には、早めに連絡をしておいて、融資実行日にすぐに抵当権の抹消と設定登記を出してもらう必要があります。

心当たりがないときは、金融機関から紹介してもらえますので、そちらと直接連絡を取り合って、必要書類を準備しておきましょう。

借り換えが完了したら、その後は新たな金融機関に返済をしていきます。

よりよい条件を出したいとき

借り換えに時間がかかっても、できるだけよい条件で契約をしたいという場合には、複数の金融機関からシミュレーションをしてもらいましょう。

他行の金利等の条件を見せることで、どの金融機関も利率を優遇して契約をとろうするため、現在借り入れをしている金融機関でも、現行よりもよい条件での見直しをすすめられることがあります。

ただし、ここで気をつけたいのが実際に融資を受けられるだけの信用があるかという点です。

どの金融機関も、返済能力のある相手にしか融資は行いませんので、収入や勤続年数、勤務先などが当初の借入時と大きな違いがないことが重要です。

また、ローンの返済中に支払いの滞納があったときには、支払い能力に疑問がある人物と認識されてしまい、審査に通らない可能性が高まります。

このようなケースでは、他行で借り入れができないと判断して、あまり好条件の融資は行わない金融機関が多くなります。

したがって、将来的に借り換えをしたいと考えている場合には、借り入れ当初からきちんと滞納なく返済を行っていくことも重要です。

なお、通常の条件よりも低い金利を提示してくるときには、窓口の担当者だけでは決めることができないことが多く、上席に確認するなどの手続きが必要になります。

必然的に、通常のシミュレーションよりも時間がかかりますので、早めに申し込みを行っておいた方がよいでしょう。

決算時期になるとどこの金融機関も契約を増やそうとする傾向にありますので、相談してみましょう。

スムーズに進めるために

借り換えの手続きをスムーズに進めるためには、シミュレーションの用意は早めにしておいて、どこの金融機関で契約するかを早く決める必要があります。

現在借り入れをしている金融機関に対しては、一番最後に話をするようにしましょう。

その際、担当者からほぼ確実に引き止められますし、どのような条件で見直しが可能かということも説明されます。

このときに、事前に他行のシミュレーションを用意しておくと、それと同条件、もしくはそれ以上の契約が可能かどうかがすぐにわかるでしょう。

ただし、ここで気を付けておきたいのが手数料や諸経費で、借り換えのときには、一括返済の手数料、新規契約の印紙代や保証料、事務手数料などの他に、他行に乗り換えるときには抵当権の抹消や設定登記の費用が発生します。

この費用も含めたうえで、どこまでの条件ならば最も負担が少ないかということをあらかじめ計算しておくことが必要です。

もう一つ、スムーズに手続きを進めるために、ある程度借入先を絞り込んだら必要書類を用意しておきましょう。

印鑑証明書や収入の明細、住宅の登記簿謄本、現在の住宅ローンの契約書など、必要なものは借り換えの内容によっても異なってきます。

これらを早めに準備して提出しておくと、時間を短縮することができてかなり早く借り換えができます。

借り換えの相談に行ったときに、どのような書類が必要になるのか、登記が必要な場合には、司法書士の段取りをどうしておけばよいのかなど、あわせて聞いておくとよいでしょう。

事前に準備が済んでいると、融資実行のときには本人が立ち会う必要もありません。

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