金利とはなにか
住宅ローンに限らず、お金を借りると金利が掛かりますが、「金利を払うなんてもったいない」そんな考え方もあるでしょう。
例えば、2,000万円の住宅ローンを組んだとして、金利を支払うことでどんなメリットが考えられるでしょうか。
仮に預貯金で2,000万円あったとして、その全額をローンを返済したとすると、金利は当然一切かかりません。
「少しも無駄なお金を払わずに済んだ」というのは本当にそうでしょうか。
というのも、金利を支払うメリットは、手元にすぐに使える現金を残しておくことができることです。
いくら便利になっても、冠婚葬祭をはじめとした現金の方が都合がよいケースは多いのです。
そのときになって手持ちが全くないのでは、逆に一括で支払った喜び以上に目の前の金策にあたふたしてしまいます。
金利は低い方がよいのは誰にとってもそうでしょうが、金利を支払うことがいつもダメなのではなく、状況に応じて賢く選択できるとよいということです。
自分が組んだ住宅ローンの金利がいつの間にか安くなっていることって珍しくないですし、いつも使っている馴染みの金融機関だったら余計に悔しく感じるかも知れません。
同行で今のローンを借り換えできるものならお願いしたい気持ちは分かりますが、金利が上がるか下がるか判断するのは金融のプロでも簡単なことではありません。
それでも納得できない場合、一度、金融機関に相談してみましょう。
住宅ローンとはどんな金融商品なのか
住宅ローンは、教育ローンやブライダルローンなど、使用目的が限定された金融商品です。
そもそもなぜ使用目的を限定するのでしょうか。
例えば住宅ローンでは、支払い終えたときに住宅や土地と言う不動産が手元に残ることを前提にされています。
別の言い方をすると、住宅ローンを返済中に支払いが困難な状況に陥ったときに、金融機関は担保にとっていた住宅や土地を売却して返済の一部にすることができるのです。
もしもこれが目的の決まっていない借金だと、お金は残っていないし返済もできそうにないという事態も想定されます。
そういうローンがおのずと金利が高くなるのは、貸し手のリスクが高くなることに比例するからです。
住宅ローンの審査に健康状態まで必要となることがあるのは、20年30年と長期間返済が継続できるのか、金融機関が見極めようとしているからです。
そこまで調査するからこそ、住宅ローンの金利を限界まで引き下げられるのであって、審査が緩くなればそれだけ金利が高騰するのも分かってもらえるのではないでしょうか。
今、自分が組んでいる住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンが同じ銀行から売り出されていた場合、少し損をした気分になりますが、同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできるものでしょうか。
場合によっては別の金融機関に乗り換えることも視野に入れて交渉できるのか考えてみましょう。
実際に今と同じ金融機関が提供している商品同士であれば、移行手続きも重複しているはずで、その辺りも好都合な場合もありそうです。
住宅ローンを借り換える
ここで住宅ローンを別の金融機関に借り換える場合を説明します。
通常、気になる金融機関に借り換えの相談をするところから始まり、そこでは、依頼者からの相談を受けると、残高、抵当物件、借り手の返済能力、勤務先などを元にして審査を開始します。
ここで落ちてしまえば、その先には進めませんので、借り換えは頓挫したということになり、審査が通ると、元の金融機関に一括返済の申し込みを行い、新しい金融機関からその一括返済分を借りることで、新しい住宅ローンが始まると言う段取りです。
さて、いつの間にか金利が下がっていた自分の組んだ住宅ローンを、借り換えることはできるのでしょうか。
金融機関の立場になってみると、低い金利に変えたのはマーケットの動向など総合的に判断した結果で、高い金利では借りてくれないし、低い金利では儲からない、そのバランスを考えて金利が決まったのです。
例えば、自分が組んだとき、その金利はとてもバランスのとれた結果でした。
不動産相場も上昇が期待され景気も上向きになると考えられていましたが、数年経ってみて、不動産相場は落ち着きを見せ、景気の上昇にも陰りを見せはじめたため、金融機関としては金利を下げる決断をすることになります。
そのようなときに「住宅ローン借り換えをしたいんです」と相談を受けたとしても、当初よりも渋い査定が出た場合は、住宅ローンの審査そのものが通らないこともあります。
また「一度、住宅ローンの一括返済できませんか」と持ち掛けられるかも知れませんが、その場合、中古物件となった家や土地を担保にどれだけ融資可能か再度審査させて欲しいという話になるでしょう。
このように、同じ金融機関で借り換えを行うことは、かなり難しいと考えた方が無難です。