住宅ローンの基礎知識

これからの住宅ローンはどうすべきか

金利の見通し

住宅ローンを利用するときには、今後の金利の見通しをすることによって、借り方を選ぶようにしましょう。

例えば、ゼロ金利、マイナス金利といわれるような利息が非常に少なくなっている時期に契約をする場合には、今後さらに利息が減る可能性が低いため、固定方式にするか、長期的に利率を固定した後で変動方式に変化するミックスタイプを選ぶとよいでしょう。

また、利息が少ない時期に契約をするときには、元金均等方式を取り入れることも検討する必要があります。

元金均等とは、毎月一律の元金と共に、利息をプラスして支払っていく返済方法です。

最初は払う金額が高くなりますが、トータルの利息の額は元利均等よりも安くなります。

利率が低い時期であれば、プラスされる利息がそれほど高額にはなりませんので、しばらくしのげばその後は随分と楽になります。

逆に、好景気で金利が高いときに借り入れをしなければならないという場合には、将来的に利率が下がる可能性がありますので、変動方式にして様子を見るのがよいでしょう。

見直しの時期に利率が低くなっていると、何も手続きをしなくても自然と利息が安くなるので、この場合には、元利均等にしたほうが、毎月の負担を一定額にすることができますので安心です。

逆に、元金均等にすると利息が大きいため、支払いが困難になりやすいです。

このように、契約内容も今後の金利の動向がどうなるかによって、適切なものが異なってきます。

ある程度今後の見通しがしやすい時期の契約であれば、そのままで十分最適なプランが選べます。

ローンの借り換えをすべきか

契約時の見通しが外れた場合、あるいは、予想以上に大きな金利の変動があった場合などは、現在の契約をより有利な内容に変更することができます。

大きく分けて二つの方法があり、現在借り入れをしている金融機関で、契約内容を見直してもらうというものと、全く異なる金融機関で借り換えをするというものです。

前者の場合、金融機関が同じですので、登記を入れなおす必要はなく、手数料もそれほど高額にはなりません。

返済方式や金利の内容を見直すことにより、現在の金利に即した内容の契約にすることができます。

もともと高利で借りていた人の場合、この見直しをしてもらうだけでもかなりのメリットが得られるでしょう。

特に、まだ返済期間が長い人、借入額が多く残っている人の場合には、わずかな利率の変化でトータルで見ると大きな金額の変化になりますので、金利が下がった時には手数料を負担してでも見直しをしたほうがよいでしょう。

後者の場合、金融機関を選びなおすことができますので、さらに利率のよい条件で借り直すことができる場合もあります。

新たな金融機関から住宅ローンの残額分を借り入れて一度元の債権者に全額を完済し、その後は新しい金融機関に返済していくことになりますが、同じ金融機関での契約の見直しよりも費用がかかりますので、トータルの支払額を見てから判断したほうがよいでしょう。

金融機関の乗り換えは、どこも顧客獲得のために好条件で行っていますので、これらの費用を負担してでも安く返済できるケースがよく見られます。

手数料も考慮する

住宅ローンの見直しや、他の金融機関への借り換えを検討している場合には、利息によるメリットが、借り換えに必要な費用を上回っているかどうかを確認してから契約を行いましょう。

例えば、同じ金融機関での契約の見直しをする場合には、事務手数料や新たな契約書に貼る印紙代、印鑑証明書などの取得費用などが掛かってきまし、契約を新たに結びなおす場合には、保証料が発生することもあります。

登記に関しては、通常住宅ローンは極度額による根抵当権の設定がされていますので、入れなおす必要はありません。

一方、他行からの借り換えの場合には、元々の金融機関では繰り上げ償還手数料や抵当権の抹消登記の費用が発生します。

また、新しく借り入れをする金融機関では、設定登記の費用、新規契約の契約書に貼る印紙代や印鑑証明書などの必要書類の取得費用、事務手数料や保証料などのさまざまな費用が必要になってきます。

一般的には、金融機関を乗り換えるときには単純な契約の見直しよりも費用が高くなりますので、見落とさないようにしましょう。

借り換えは、これらの手数料の合計に該当する50万円以上利息が安くなる場合にメリットとなります。

目安としては、住宅ローンを完済するまでの期間が、まだ10年以上残っており、さらに住宅ローンの残りの金額が1,000万円以上あり、現在のローンの金利と、変更後の金利の差が1%以上あるケースであれば、再契約をしたほうがよいとされています。

各金融機関でシミュレーションもしてもらえますので、利用しましょう。

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