住宅ローンの乗り換え
マイホームを購入した人、またはこれから購入を検討している人の中には、住宅ローンは一度契約したら、その内容のままで完済まで払い続けなければならないと考えている人も少なくありません。
実際にはどのような払い方であれ、現在のローンを完済すればその契約はなくなりますので、乗り換えをすることは可能です。
具体的な乗り換えの方法は、まず、興味のあるローンを扱っている窓口に相談して、完済までの利息の計算や毎月の支払額などをシミュレーションしてもらい、実際に申し込んだ時に融資を受けられるか、仮審査を受けておきます。
借入額があまり残っていない場合などは、利息が安くなっても、乗り換えにかかる費用の方が高額でマイナスになるというケースもあります。
トータルの必要額を検討して、現在のローンから乗り換える方がよいかを判断しましょう。
その上で、乗り換えをしたほうがメリットがあると判断できる場合には、ローンの借入残高分の融資を受けて、融資実行と同時に現在の債権者に一括で支払って完済します。その後は、新たな借り入れ先に返済を続けることになります。
このように乗り換え自体は可能ですが、利用するときには条件的にどこがよいかをしっかり確認しましょう。複数回の乗り換えもできるものの、その都度手数料などの費用が発生しますので、できるだけ長く払い続けることができる金融機関がおすすめです。
同じような条件の金融機関がある場合には、手数料や保証料などの費用を比較してから選ぶのもよいでしょう。
乗り換えの目安
住宅ローンを乗り換えたほうがよいかどうかは、具体的にシミュレーションをしてもらってからの方がよいでしょう。
目安としては、現時点でのローンの借入残高が1,000万円以上あり、返済期間が10年以上残っており、現在のローンの金利よりも乗り換え先の方が0.3%以上低い場合には、手数料等を考えても乗り換えたほうがよいといわれています。
バブル期などに借り入れをしていて、残額はほとんどないものの金利の差が大きいケースではメリットになる場合もありますが、目安の条件を満たしていても、保証料や保険金、事務手数料、登記費用などが高額すぎてあまり違いがないという場合もあります。
近年では、インターネットで必要事項を入力することで、簡単に返済のシミュレーションを自分で作成することができます。
しかし、できれば候補として考えている金融機関すべて、難しいようであればせめて申し込む可能性が高い金融機関だけでも、窓口で直接相談してみることをおすすめします。
というのも、きちんと担当者と話をした場合には、パンフレット等に記載されている内容よりも、より好条件の金利を提案されることがありますし、いくつかの条件を満たすことで、さらに優遇金利になることもあるためです。
どの金融機関も、住宅ローンの利用者を増やしたいと考えていますので、交渉次第ではより有利な条件に変更してもらえます。また、必要な費用についても直接確認することができますので、正確な金額での比較ができるという点も大きいです。
乗り換えはどこがいいのか
住宅ローンの乗り換え先を探すときには、金利だけで比較をしないようにしましょう。住宅ローンにはいろいろなプランがあり、細かく見ていくと自分たちの条件によく合っているものが見つかります。
例えば、保証料や事務手数料が安いまたは無料のところを選ぶと、金利で比較すると一番ではないもののトータルの支払額が最も安い金融機関となる場合もあります。
また、団体信用生命保険はほとんどの金融機関で保険料を負担してもらえますが、中には自分で支払わなければならないところもあります。表面金利にすると、年間でおよそ0.3%増えることになりますので、要注意です。
さらに、普段から病気がちな人、遺伝などで大きな病気にかかるリスクがあると思われる人、長期のローンを組むため完済時期には高齢になる人などの場合には、特定の病気になった時には住宅ローンの残高がゼロになる疾病保障付の商品を選ぶのもおすすめです。繰り上げ償還をするつもりがある人は、償還手数料が無料のところもおすすめです。
このように、ローンの商品自体も金融機関によって大きく異なってきますので、よく検討しましょう。
金利を固定にするか変動にするか、返済方式を元利均等にするか元金均等にするかなど、自分で決めるローンの内容についても、適している商品とそうでないものがあります。
シミュレーションは依頼すれば複数用意してもらうこともできますので、はっきり内容を決めていないときには、いくつかのプランを見てから返済していくことができるかを判断しましょう。