住宅ローンの返済

災害と住宅ローン返済について!減免制度と災害時の特約ローン!

昨今の地震や豪雨災害を見ていると、マイホーム購入で住宅ローンを組むことにリスクを感じる人は多いでしょう。

被災したときに住宅ローンはどうなってしまうのでしょうか。また、リスクを減らす方法はないのでしょうか。

災害に遭って家に影響が出ても住宅ローンはなくならない

まず、被災して家に住めなくなっても、住宅ローンがなくなることはありません。

公的な救済は支援金がありますが、被災者生活再建支援制度で最大300万円程で、住宅を補修する費用の一部を想定しています。全壊だったとしても住宅ローン残高は残ってしまいます。

自然災害は保険会社の範疇で、金融機関が直接支援してくれることはありません。頼みの綱の火災保険や地震保険も、住宅を建て直すために十分な保険金は支払われません。

地震保険は、火災保険の保険金額の最大でも50%が上限になるというルールがあり、地震による建物全壊でも1000万円や数百万円の保険金ということもあり得るのです。

家屋が被害に遭うと、生活を立て直すために賃貸に引っ越すとしても新しく家電や家具を購入する必要もあり、住宅ローンの返済と賃貸住宅の家賃の2重払いで経済的負担が重くなります。

災害に備えた住宅ローン

病気のときや失業のときに、返済の一部が保障される保険がついた住宅ローンは一般的ですが、実は災害に遭ってしまったときに保障される珍しい住宅ローンがあります。

それは、三井住友銀行の「自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン」です。

この住宅ローンは、さらに二つのプランに分かれています。なお、二つの特約を両方掛けることはできません。

約定返済保障型(住宅ローン金利に0.1%上乗せ)

一定期間の返済が免除(払い戻し)されるタイプです。

地震・台風・豪雨・洪水・津波・噴火・雪災・落雷によって被害があった場合に保障されます。(約定返済とは、毎月の元金と利息の返済を指す)

半壊(建物主要部分の損害20%~40%未満)で約定返済の6回分を免除

大規模半壊(建物主要部分の損害40%~50%未満)で約定返済の12回分を免除

全壊(建物主要部分の損害50%以上)で約定返済の24回分を免除

残高保障型(住宅ローン金利に0.5%上乗せ)

ローン残高の50%相当が免除されるタイプです。

地震・噴火・津波により全壊の被害が出た場合に保障されるものです。

罹災日時点でのローン残高の50%が保険金として返済に充当されます。

いずれも、流れとしては市区町村の罹災証明書を銀行へ提出することで、保険会社から約定返済相当額またはローン残高50%相当分が保険金として支払われます。

特約として利息の形で追加の保険料を保険会社に支払うことになり、例えば3000万円を35年借入で0.8%で借入ているときと、特約で0.5%を上乗せで借りるとでは、月々1万円ほど支払いが増えます。

三井住友銀行はネットバンキングや他のメガバンクと比べて、住宅ロ-ン金利水準が低い訳ではありませんが、万が一の保険という意味で多少返済が高くなっても構わない人には、おススメです。

ローン返済ができなくなりそう

住宅ローンの毎月の引き落としができなくなると、延滞という状態に陥ります。延滞が続くと異動という状態になり、いわゆるブラックリストということになってしまいます。

返済が難しくなってしまったら、利息だけを支払い、元金の返済を延期してもらうなど、返済負担をまずは先へ延ばすような相談を個別に金融機関にすることになるでしょう。

元金の支払いを先延ばしにすると総返済額は増えてしまいますが、返済の全額免除には借入先も当然応じませんから、利息だけの返済でまずは収入を安定させる方法を検討することになります。

後に説明するローンの減免制度も、まずは借入先に相談することは変わりません。借入先と現実的に実行できる返済計画を立てることから始まります。

毎月の引き落としがされないまま放置すれば、原因が自然災害であっても、競売を行使する権利を金融機関は持っています。

被災したことが原因で返済が苦しくなってしまったときはできる限り早く相談することが大切です。

自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

ローンが返せないときは、最悪は自己破産のように破産申請しかありませんが、大規模な自然災害により被害を受けた場合は、債務者と債権者の話し合いにより、債務整理を行うことができることがあります。

それが「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づくローンの減免制度です。

ガイドライン要約
  • 個人信用情報に傷をつけずに、ローンを減額することができる
  • 貯金がある場合は、返済に充てる必要がある
  • 財産の状況を報告する必要がある
  • 必ず実行できるものではない。借入先の同意も必要で同意しない権利もある

法的な効力のある制度ではなく、申請は通らないこともありますが、多くの人を救済するために始まった仕組みです。

災害までは順調に返済できていたが、災害によって収入が減り、返済が難しくなり、預貯金でも返しきれないほどの残高が残ってしまっている人を助ける制度です。

住宅ローンに限らず、自動車のローンでも適用されますが、基本は破産の履歴を残さずにローンの減額をしてもらう制度なので、現状は収入が少なく返済の目途が立たないような状況であることを証明し、預金で返済できる残高は返済をしていくことが求められます。

まずは、借入先の金融機関に相談し同意を得ることが必要です。

自己破産と比べて、手元に残せる可能性のあるお金は増えますが、流れとしては破産手続きと似ている点もあり、「どうしても返せなくなりそうで、破産手続きになるよりも金融機関にとってメリットがあること」が条件です。

簡単に減額してもらえる訳でなく、手続きに半年程度かかり、預貯金が全額手元に残せることはないので、注意が必要です。

また、災害以前から住宅ローンの延滞が始まっており、金融機関から一括返済を求められている状態では、災害以前から返済が破綻していたことになり、金融機関が特別に認めない限りはこの制度は通りません。

住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローン控除は、自宅として居住していることが第一条件です。災害によって被害が大きかった場合は、自宅に住めなくなってしまうこともあるでしょう。

そんな時の救済措置として、災害でやむを得ず住宅ローン控除を受けていた自宅に住めない期間の住宅ローン控除は、特例として引き続き控除を受けることができます。

国税庁も示しているとおり、平成28年1月1日以降に災害で住めなくなった場合は、賃貸に出していない等の細かな条件はあるものの、引き続き住んでいない自宅の住宅ローン控除が使えます。

また、特例として被災者生活再建支援法が適用された区域の住宅で災害によって居住できなくなった人が、再び住宅を再建築したり、取得したときは従前の被害のあった自宅の住宅ローン控除と新築の住宅ローン控除の両方を重複適用できます。

このように大規模災害に見舞われた場合は、特別税制で住宅に関しては少なからず支援がされることが多いです。

まとめ

以上のように、住宅ローンは被災しても返し続けなければなりませんが、借りる時のリスクヘッジと返せなくなったときの対策がいくつかあります。

毎月返済ができないという状況は、そのままでは災害は関係なく競売や自己破産に繋がりますので、使える制度で税制優遇や支援金を受けつつ、自身で解決していく必要があるのです。

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